繋ぐ命。 [想い]
いただきます
食事をする前に、必ず言うことば。
このことばって、、とても大切なことばですよね。
僕は、大学生時代に3週間、
栃木の牧場で、牧場実習をやった。
その牧場では、主にホルスタイン(白と黒の牛)とジャージー(茶色い牛)を、
合計で300頭近く育てているんだけど、
生まれたばかり仔牛をセリで買ってきて、
牧場で育てて、出荷するんですよね。
朝起きて牛舎をまわりながら餌をあげて、
餌をあげ終わったら、牛舎の掃除をしたりして、
そのときに、牛の体調を確認する。
朝の餌のときなんか、、
吹っ飛んできて餌を食べる牛や、
他のみんなに圧倒されてみんなが食べ終わるまでなかなか食べられない牛や、、
いろいろな性格の牛がいて、
本当にかわいい。
掃除のときにも、、
いちいち寄ってくる牛もいれば、
別に気にもしないでのんびりしている牛もいて、、
本当にかわいい。
そんなことを毎日やったんだけど、
それはそれは重労働で^^;
餌あげるので1周、
掃除するのでもう1周。
牛舎を2周まわると、もうお昼で。
お昼ご飯を食べたら、、
午後は、餌の配合やら牧場内の草刈りやら、、わらの準備とか、、
いろいろやって、、夕方に餌をあげる。
餌の配合っていうのも、
牛の年齢によって食べさせるものが変わってくるから、、
結構な種類作ることになる。
そんなこんなで、、
22カ月(だったかな、、)、しっかり育てて出荷する。
出荷するとき、、
牛もやっぱりわかるんですかねぇ、、
運搬車に入れるときに大暴れをしてなかなか入ろうとしない牛もいたし、、
大きな声で鳴く牛もいたし、、
なんか複雑な気分だった。
もうひとつ、、以前いた会社の新入社員研修。
こっちは研修っていっても、施設見学だったけど。。
青森県にある養豚場なんだけど、
系列会社で生産し、育てた豚をこちらの養豚場に移し、
最終的には、、その豚をとさつする。
一般の方はもちろん入ることができなくて、
新入社員研修で、
どのように製品ができるか、、
というものを学ぶための施設見学だった。
一頭ずつレールにのり、さいごをむかえる姿を目の前にして、、
ことばを失った。
胸が痛くなった。
僕たちは、、
彼らの命のおかげで、生きている。
彼らの命が、僕たちの命を繋いでくれている。
それは、、
牛や豚に限ったことではなく、
野菜だってそう。
魚だってそう。
僕たちの、誰ひとりとして、
彼らの命なしには生きていけない。
複雑な気分になっても、胸が痛くなっても、
僕たちは生きるために、食べなければいけない。
だからこそ、
いただきます
って、、言わないといけない。
目の前に料理が出て、
彼らのことを思い出すことはなかなかないかもしれないけれど、、
当たり前のように日々食べているかもしれないけれど、、
その料理には、多くの命がつまっている。
(2月9日・・当たり前のこと。@想い参照)
いただきます
それは、、
料理を作ってくれた人に言うことばじゃない。
僕たちの命を繋ぐために、命を捧げてくれた彼らに対して言うことば。
心から、感謝の気持ちをこめて、、
いただきます
を言いたいと思う。
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